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大工の資格について

大工に資格はあるのか

大工になるにあたっては特別に何か資格を取得する必要はありません。
そのため、工務店に弟子入りして技術を磨けば立派な大工になることができます。

国家試験を受けたり届出を出したりて自分が大工であるという証明をすることはできません。
しかし、大工としての技術を証明するための資格はあります。

建築大工技能士という資格がそれにあたり、1級から3級までの試験があります。
これは、国家技能検定といわれるものであり、国家試験とは少し異なります。

この建築大工技能士を受けるのには実務経験の条件があります。
1級は実務経験7年以上、2級は実務経験2年以上、3級は実務経験6ヶ月以上とされており、資格を取得すれば技術の証明と合わせて実務経験の証明とすることもできるのです。

建築大工技能士の試験内容

試験の内容は与えられた木材から屋根の小屋組を作るという実技内容になっています。
この小屋組というのは三角が複数組み合わさって作られるもので、ただ技術で作れるものではありません。
作るにあたっては加工するための計算をする必要があり、計算のスキルも必要となります。

この計算スキルも一般的な計算とは異なります。
電卓やパソコンを使って計算するのではなく、さしがねというL字型の定規を用いて様々な角度を求めて計算をしていきます。
この計算を元に、墨付けと言われる材木への印付けをして、刻みという加工をして組み上げていきます。

試験の等級が上がるにつれて問題の難易度も上がっていきます。
特に1級で出題されるのは寄棟屋根という真上から見て四角い屋根の四面とも勾配が付いている屋根の小屋組であり、かなり難易度が高いです。

これを作るには、屋根の勾配を計算していくことが必要であり、材木の切り口も複数の角度を組み合わせていく必要があります。
今はこのような勾配の計算については、三角関数を用いて計算をしたり、計算ソフトを活用したりすれば簡単に算出をすることができます。
しかし、技能試験の場合には、さしがねだけを用いて計算をして作り上げていかなければなりません。

建築士の資格を持つ大工

最近では建築大工技能士だけでなく、幅広い建築の資格を保有している大工も増えています。
2級建築士や2級建築施工管理技師といった資格を取得して、建築物の設計や管理、現場監督までを大工で行うことがあるのです。

このような資格がないと仕事の受注ができなかったり工務店の経営ができなかったりします。
そのため、資格を持っている人を雇い入れるのではなく、自分たちが資格を取得して開業するという選択をする人がいるのです。