中学校教諭普通免許状の取得
中学校教師になるには、まずは中学校教諭普通免許状を取得することが必要です。
東京都の場合には、中学校の先生になるのにも、高等学校教諭普通免許状を合わせて持っていることが条件となることがあるので、基本的には両方の免許を取得しておく方が無難です。
中学校の教員免許や高校の教員免許というのは教育学部に通わなくても取得することができます。
芸術学部ならば美術教諭、英文学科ならば英語教諭というように専門分野の授業と教育課程とを合わせて受けて単位を取得しておけば、その専門分野の教員免許を取得できるのです。
中学校の教員免許を取得するために必要な単位と高校の教員免許を取得するのに必要な単位のほとんどは重複をしています。
いくつか中学のみ、高校のみに必要な単位や実習があるので、それらを上手に履修に組み込めば中学校と高校の教員免許を両方取得するということはできるのです。
教員免許を取得した人のみが教員採用試験に挑戦することができます。
公立中学校の教員採用試験の倍率は約8枚程度を推移しています。
小学校教諭の採用試験が約4枚であることを考えるとかなり狭き門です。
少子化の波も押し寄せているので、この高い難易度はこれからもしばらく継続すると考えられています。
そのため、中学校教諭の教員免許を取得したものの中学では働かないという選択をする人も多くいるのです。
自治体によって難易度は違う
採用試験の合格率は8倍であるというのは、あくまでも全国平均です。
そのため、地方別に見ていくと倍率は大幅に変わっていきます。
地方の方が難易度は高い傾向があり、宮崎県で14.4倍、長崎県13.0倍、熊本県12.3倍という結果が出ています。
ただし、これは小学校から高等学校、特別支援学校、養護教諭といった全ての教職での倍率です。
逆に、競争率が低い地域もあります。
例えば、滋賀県で3.9倍、静岡県浜松市で4.0倍、富山県・福岡県北九州市で4.1倍というように、地域によっては格段に合格しやすい傾向もあります。
そこで、人によっては実家のある自治体や大学のある地域ではなく、中学校教員の採用数が多い都道府県の試験を受験するという人もいます。
例えば、東京都と横浜市では東京都の方が倍率は低いということで東京都の採用試験を受験して都内の学校まで通勤するというケースもあるのです。
受験日も地域によって異なります。
そのため、どうしても中学校教諭になりたいという人は、複数の自治体の採用試験を受験するというケースもあります。
また、数年かけて教員採用試験に合格することを考えて、しばらくは非常勤講師をしながら試験を受け続けるという人も増えています。
非常勤講師の採用者数は正規職員よりも多いので、合格がしやすく、現場で働きながらも試験に挑戦できるとして多くの人がこの方式を取っています。